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春合宿(小豆島)感想文

竹内幸熙

 

 今回の合宿(小豆島)は、自分の大学生活の中で最後の合宿となりました。最後の合宿はと鳥取大学より現役2名、徳島大学からは何と現役引退生が2名と現役不在のもので且つ、人数も自分の知りうる限り最小のものでありました。師範がいらっしゃったとき、徳大から二人は誰かと思ったらおっさん二人だったとおっしゃった時にはつい苦笑ひがでてしまいました。

 しかし、規模は小さくも稽古の中身はより(?)充実したものでありました。毎度師範がどのような技をしたいのかとお聞きになるので、武器は「13の杖」と決めてをりましたところの、最初の体術で何と百技を示されて之を全部するとおっしゃったのであります。之はもう驚きと喜びしかなく、しかし同時に全部は流石に難しからうと思うてをりましたところ、やはり、合宿中に全部をすることはあい為りませんでした。結果として、致しましたのは、入身投げと腰投げ。百技の中の技でありますれば,知らぬことはあるまい・・・・といふ訳ではなく、細部が怪しかったりそもそも動きが怪しかったりと、最初に師範が前でなさるのを必死に見る次第でありました。

 そして、武器の方もいつもと違ひ「31の杖」の組杖を最初から最後までする事ができました。素振りをし、組杖をし、それらを繋げてし、この流れを1日の稽古の中で行へた事はおそらくなく、最後全て繋げてしたときに意識を払うところが、ただ一連の31の杖をするときより多く、愉しく行ふ事ができました。ただ、自分自身の動きが怪しく、前でするときに師範の相手をさせてもらったのですが、之が師範の手を打ってしまったり、屡々杖が袴に入ったりとぼろぼろでありました。師範に対する申し訳なさと之を見ている後輩や同期への申し訳なさ、手順を覚えていない事への恥づかしさと思ふやうな動きができない自分への憤り、また、是はいつもながら師範のお相手をさせていただいている事への喜び、有り難さと緊張がまぜこぜになっておりました、ゆゑに実際のところ愉しく行ふよりか、一所懸命に稽古するので手一杯の状況でありました。それでも、不思議と稽古の後に残る感想の一つに愉しかったが入るのであります。真剣に稽古するほどに稽古の愉しさはあるものだと。よくよく思うた次第であります。

 

 あと、毎度たくさんのお話しや気づきをお話し頂きます。今回聞いて新しかったのは「見る」と「映る」の違ひのお話。自分は目の視力差が激しく一重身で右に構へると殆どものを判別できないのですが。見やうとせずに映す心持ちで行っていかうと思ひました。


 学生最後の合宿は。学生最後でありながら自分は未だ是非の初心も忘るべからずだと思ひ知らされるものでありました。そして、今後の社会人生活でも、日々稽古の気持ちを高める良き契機となりました。

 

 此度もありがたい経験をさせていただいた皆様に御礼申します。

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